prose

夢想の存在理由 

幸も不幸も連鎖していく。
駒ケ根は、物語上の日本国を不幸に陥れた戦犯のひとりだろうけれど、彼ののたうち喘いでいた無間地獄のさまが哀れでならない。
彼のうちに元から在ったちっぽけな不幸が、大きな不幸の呼び水となる。

もしも~だったら、もしもあのとき~していたら、と、思い返してみても、起きてしまった事態に変わりはない。
では“あのとき”、人ひとりにいったい何ができたろうか。
駒ケ根が戦犯ならば、秋川進もやはり戦犯だ。
他者に扇動された者も戦犯、無関心を決め込んでいた者も同罪。

だからこそ、できるならば多くの人が不幸に陥らぬようにと夢見、明るい物語を書いたりもする。
それは確かに幻想、ファンタジーだ。

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