prose

もう随分と 長いこと 

もう長いこと
乾いた砂浜で
当てはまる木枠を 探している
ぴたりとでは見つからないだろうから
せめて似たものさえ在れば と 願って

あちらの青にも
こちらの青にも
どちらの青にも 埋没すること かなわず
しかし 密度の高い寂寥は 消えないのだから
必死のままに
多種多様な青色へ 身を浸しにいく
緩慢に 滑稽な この日々を

昨夜 わたしは 何処にいた?
記憶は朧
ゆらゆら揺られては
幾多の魔物が 卑しく笑いかけてくる

突如 響くノイズに 振り返れば
「泣き声を立てるな
 現実を見据え
 休むことなく両の手足を動かし続けろ」
背後から
頭上から
瞳孔の先から
永遠に 追求の手を緩めない
彼の呪わしい雑音は

なぜ
誰も
君は好きなだけ泣けばよい

言ってくれない?

もう随分と 長いこと
わたしは
熱く焼ける砂の上に
裸の足を 引き摺っている

染まるべき色
嵌まりこむための木枠を 探しながら
遥かな夢の海辺を 思い描く
それが 赤黒く錆びついた心を 慰めてくれるなら
もう暫くは
生きていても良いのかもしれない

夢は どこまでも 美しく
しかし
ここは 酷く陰惨で
愚かだ

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