prose

生きる、ということ、ただ諦観に染む 

極限まで傷つけられた子らが助かろうと願う、
しかしそれは非常に困難だ

かの残虐非道の看守の力は呪いにより朽ち、
幼子の前には大きな逃げ道が姿を現したという、

しかし未踏の現世へ向け、か細い足を踏み出すは恐ろしく、
いやかえって慣れ親しんだ狭く薄汚い牢獄を懐かしく振り返りもするのだ、

「僕はあの牢獄の中での『生きる術』ならば確かに会得した、それこそつぶさに、
更に言えば、娑婆においての僕とは完全無能の最弱者であることも、牢の内にて再三に教えられた」

さあ、どうする、お前の気持ちひとつだぜ、
行くも地獄、帰るも地獄、

何処からか微かに、童の声の響きくる、

いきはよいよい、
かえりはこわい、
こわいながらも、
とおりゃんせ、

とよ、
無情な声よ、

そうこうするうちに、呪いは霧散し、看守はむくりむくりと頭を擡げつつあるようだが、

recent entry

prose titles

monthly archive

© Ren Sakaki. All Rights Reserved.