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※こちらのコラムは、雑誌やメルマガ寄稿文に加筆修正をしたものです。

ハレの日に、特別な、ひとしなを 

本年もまさに終盤を迎え、世の中には快い慌ただしさと、一抹の寂しさとが溢れているように思います。

さて。
おせち料理、皆様はいかがされますか?

遠い昔、私は実は、
「おせちのお重の中身をすべて手作りする」
という難関に、無謀にも挑んだ過去があり、いやはや、大変な苦労をしました。

エビとかね、あんなのは別に何とかなるんですよ。
熱を加えるだけで、華やかな色に変わるし。
だいたい、エビってだけで、多くの日本人にとって嬉しいじゃないですか。
字もスゴイしね。海老、って。
どんだけエラそうなんスかね。

苦労するのは、一見地味で、だからこそ、下ごしらえとか、微妙な風合いや味付けで、成功か失敗かが決まってしまう部類のモノですよね。

田作り、とか、その代表のように思います。
もう、あんな地味なもん、どうしろって言うんでしょうか。
どうすれば、美味しそうにできるんでしょうか。

クワイとかね。
なぜ、あんなに可愛らしいフォルムなのに、味はちょっと、いや、かなり苦いのさ!?
しかもクチナシで黄色をさらに濃くするとかね!
もう、自らの美的センスに、無駄にこだわり持ち過ぎだよね!

なます、とか。
名前は明らかに気が抜けたような響きのクセに、色合いやら何やら美しすぎる。
なんで、オレンジと白、そして柚子の黄色の競演なのよ?

栗きんとんも大変だった記憶があります。
これは味はけっこう楽に調整できると思いますが、茹でて濾して練って、みたいな行程に、スゴイ体力を使いました。
それに加えて、栗がね。
皮つきの栗を剥くところから始めるのは、サスガに無理だったので、国産の栗の甘露煮を買おうとすると、これが、めっちゃ高いんですよ・・・
まあデフレの現在、高価なまま値崩れしないことにも大きな意義があるのでしょうが、だからといって、安い外国産の栗を使った栗きんとんが、お店に所狭しと並んでいるのは、すこし寂しい気がするワケです。
だって、日本のおせちなんだから。

お重にもちょっとこだわってみたりしました。
高価なものではないんですが、一応、漆塗りのお重を幾つか持ってます。
今の時期、デパートに山のように並んでいると思いますので、お出かけついでに、食器売り場を覗いてみてください。
日本の伝統工芸の技術はスゴイな、美しいな、と、あらためて感動させられる珠玉の品で溢れています。
プラスチック製のお重も便利で素晴らしいものですが、職人さんが手塩にかけて作り上げた、幾重にも塗り、仕上げられたお重をひとつ、年に数回だけ使うのも、風情があって良いと思います。

何と言っても、日本の、“ハレの日”ですから。
“ケの日”とは区別をつける、というのは素敵なことだと感じます。

とか、なんだかんだ言いましたが、おせちで好きなメニューと言えば、私は、にしきたまご一択、ブレない男です。
それも、スーパーで買ってくる、量産品の錦玉子です。
はっきり言って、十分に、十分すぎるくらいに、美味しいです。
2本はイケます。

田作りといい、栗といい、錦玉子といい、黒豆といい、その他もろもろ、日本の加工食品会社、マジ最高!!!

つーワケで、“おせちを手作りで仕上げる”という野望に挫折した私としては、
「手作りでも、出来合い品でも、高級料亭のおせちでも、何でもいいので、縁起物を食べて、皆様が新しい1年を健やかに過ごせますように!!!」
という結論に至った次第です。

 

さかき(良いお年を)

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