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※こちらのコラムは、雑誌やメルマガ寄稿文に加筆修正をしたものです。

靖国にてお花見 

先日、とあるイベントで、靖国へお花見に行ってまいりました。
このイベントで面白かったのは、「ドレスコードは和服」という点。
そうは言っても、和服オンリーですと敷居が高くなり過ぎてしまいます。
そこで、「和モノ、つまり、バッグや草履、手ぬぐい、扇子などをお持ちであればOKにしよう」ということに落ち着きました。

さて私、和服が大好きです。
そしてもちろん、正絹のとろけるような手触りも非常に好きですが、自宅で洗濯できる綿のキモノも大好きです。
今回は夜桜を愛でながらの酒宴、ということで、汚れても気にならない普段着キモノで出かけたいなあ、と考え。
さらには、夜桜のほの白さを引き立たせるように、水色の着物はどうかと思い、本当に久しぶりに呉服売り場へ行ってみました。

“普段着キモノ”というものは、最近、一大市場となっているようで、デパートの呉服売り場などに行っても、化繊や綿の仕立て上がり品がたくさん並んでいます。
この日の私が選んだのは、なんとダンガリー生地の着物。
化繊の着物も便利ですが、やはり絹や綿は滑りにくく、着付けが乱れにくいように感じます。

着付けに使用するものには、伊達締めや腰ひもなどの紐類がありますが、こちらも化繊のものは、私はあまり使用しません。
「伊達締め」は、絹の博多織のものを好んで使います。
やはり絹は最高であるのと、私は個人的に、博多織の古めかしい色合いと織り柄が好みだからなのです。
「腰ひも」については絹ではなく、もう子供のころから、モスリンを使い続けています。
もしかしたら腰ひもに関しても絹が最高の素材なのかも知れませんが、モスリンでも不具合が起きたことが一度もないので、今のところは変える必要性を感じません。
着付けに関して私がもっとも気になるのは「襟元の乱れ」と「腰紐のゆるみ」だったりするのですが、モスリンは緩みにくいのです。

呉服売り場にて、ダンガリーの美しい水色の着物に一体どういった帯を合わせようか、と思案していたところ、“綿”着物なので店員さんからはやはり“綿”のカジュアル帯をすすめられました。
が、しかし。
帯に関しては、私、どうしても“絹”が良いのです。
もう化繊も綿も、うまく結べないのです。
そこで丁重にお断りし、手持ちの帯を使用することに決め、帰路に着きました。

自宅にて、桜飛ぶ若草色のハンカチ、「かまわぬ」の手ぬぐい、象牙色の地に緑青と朱のラインが控えめに入った博多織の半幅帯、白の足袋、を選び終わると、もう出かけなければならない刻限は間近です。
補正する余裕も無くさっさと着込み、春の少々肌寒い空気の中に靖国へ向かい、参加の皆様と合流しましたところ。
皆様「和装」というドレスコードに則してそれぞれ趣向を凝らしておられ、カジュアルな着物をさらに着崩してオシャレな和洋折衷にされていたり、お扇子だけお持ちだったり、はたまたおもむろに「はんてん」を取り出し羽織られたり!
(中には何故か、富士山の被り物をされていた方もいたとか、いなかった、とか・・・。うーん、確かに、まごうことなき和モノ?)

桜舞い散る中で仲間と楽しく飲み交わし、時間はあっという間に過ぎていきました。
が、ご期待に違わず、さかきはまんまと甘酒を着物にこぼしてしまい、「ああ、普段着キモノで来てよかった~」との思いを噛みしめましたとさ。

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