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※こちらのコラムは、雑誌やメルマガ寄稿文に加筆修正をしたものです。

ギリシア・ガストロノミー紀行4 

お早うございます。
ソフィア取材記・ギリシア編もとうとう四回目です。
ギリシアはサントリーニの地で、ロバ諸兄との劇的な対面を果たし、完膚なきまで心を折られてしまったサカキの、その後。

ロバ事件の翌日、我々は、サントリーニでも南部に位置するミノス文明の遺跡、「アクロティリ遺跡」を観に行きました。
ミノス文明とは、ソフィア本文中でも触れましたが、ギリシア文明発祥の更に大元の文明です。
さらに言えば、ヨーロッパ文明はギリシアから始まり欧州全土に拡がっていったのですから、ミノスこそは欧州の知の源とも言えます。
ギリシア人青年のAさんはアテネ大学で歴史学を専攻していたこともあり、遺跡までの道すがら、古代文明に関する知識を多く披露してくれました。
しかし、いざ遺跡の敷地に入ってみると、彼はぴたりと口を閉ざします。
何故ならギリシアでは、観光ガイドには政府公認の資格が必要であり、その資格を持たない者が観光ガイド的な行為をなすことはルール違反だからなのです。
そういった訳で、いきなり静かになってしまったAさんと共に、我々は遺跡を見学。
・・・しかし正直なところ、アクロティリ遺跡に対する私の感想は、「石ばっかりじゃん」の一言に尽きました・・・
うーん、やはりギリシアは石の文明。
木の文化である日本とは、まったくもって違うんですねえ。

さて我々はもうここで、サントリーニを後にします。
って、サントリーニに着いてから、まだ二日半ですよ・・・ああ、もっと長く滞在したかった。
美しい海と空、センスあふれる白い街並み、美味しい食事!
サントリーニ島は、ある意味、私にとって理想的リゾートでした。

昨日に続き港に向かいます。
しかし今日の港は昨日取材した港とは別で、街からは少々離れているため、Aさん運転の車に乗り込みました。

窓外、遠くに港が見え隠れし始め、徐々に大きく近づいてきます。
すると、いや、驚きました、今日の港は大変キレイなのです。
昨日はロバ諸兄による生産物に大いに慄き震えたことも忘れ、「今日の港はキレイ過ぎて、かえって風情が無いかも?」なーんて贅沢な感想を抱いた私ではありました。
そして、これから乗り込む船を見て・・・私はますます、その思いを強くすることになりました。
つまり今日これから我々が乗る船は、巨大なフェリーだったのです、それも物凄く近代的デザインの。
全体を青と白のペンキでぱっきりと塗り分けられ、船の上部にはさらに目にも鮮やかな黄色、その黄色の中に一つ、大きな青い「星マーク」が描かれています。
・・・つーか、めっちゃ、コミカル・イメージ・・・。
ロバさん港はあえなく却下となったものの、今日の港なら航太郎ソフィアの最後のシーンに使えるかも?と淡い希望を抱きかけていた私も、完璧に諦めがつきました。
つまり、「港と船は使わん!」と。
うーん、ソフィア取材という観点から言えば、今回はつくづく、船との相性が悪いようです。
こんな小ぎれいで機能的デザインの船に於いて、あのコッパズカシイ場面を展開したところで、面白くも何ともないではないですか~。

萎え気味のさかきと、Eさん、Mさん、Aさんを乗せて、この巨大船は滑らかに海原を進んでいきます。
風の吹き抜けるテラス席に出て、オレンジジュースを飲みながら、順に姿を現すエーゲの島々を見つめる。
ふと甲板の後方を見遣れば、そこには風に翻るギリシア国旗。
皆様ご存じの通り、ギリシア国旗は鮮やかな青と白のツートンです。
陽光に煌めく青い海に、航跡は白く泡立ち、国旗の色と素晴らしく調和しています。
さらに国旗のすぐ下のテーブルには、白い帽子に青いコサージュを飾った、若い女性の姿が。
美しい~!!!
国旗、女性の帽子、海と空とを構図に収めてシャッターを切り、悦に入った私でした。
が、しかし。
これほど美しい光景を次々に目の当たりにしながら、さかきがこの船旅でもっとも印象に残ったことと言えば、実は、船内で放映されていたテレビ番組。
おそらく日本で言うならば、昼ドラといった雰囲気のものです。
これの何が面白いって、男性キャラが異常に弱気で、女性キャラは異常に強気なんです!
もしかして、お国柄???いや、ワカランけど。

さて島からギリシア本土の港に着いたのは、かなりの深夜でした。
タクシーに乗り、超絶に荒い運転によってアテネまで運ばれ、予約してあったホテルへ。
サントリーニでのホテルがハイクラス・ホテルだったため、同じようなものを想像していた私は、今日のホテルのエントランスに立ち、失礼ながらガックリしてしまいました。
えーと、かなり、シンプル&カジュアル。
硝子のドアを開け、フロントに向かうと、そこにはめっちゃ眠そうなおっちゃんの姿・・・。
すぐに部屋に案内してもらうと、うーん、室内もやはり“シンプル&カジュアル”!(二回目)
ドアにチェーンが無かったことで少々びくびくしつつ、しかし極度に疲労しきっていた私は、すぐに眠りに落ちたのでした。

翌朝。
サントリーニ島の朝もやの中での素晴らしい朝食を思い出し、もう一度サントリーニへ戻りたいよ~、とか何とか駄々をこねたかった私でしたが。
空腹には勝てず、もそもそと起き出すと、朝食が用意されているというホテル屋上に向かいました。
このシンプル・ホテルでは、きっと朝食も“シンプル&カジュアル”に違いない、しかしオイラは負けない!と自分に言い聞かせながら屋上へ出てみた私は。
めっちゃ、めっちゃ、感動しました!!!!!!!
何と目の前に、アクロポリスの神殿が、朝日を浴び、堂々と建っていたのです!
神々集うアクロポリスが!
名だたる哲人たちも散策し思いを深めたであろう、あのパルテノン神殿が、眼前に!!!
感動至極のさかきは、涙をこぼしそうに心を震わせながら・・・!
・・・オレンジ生絞りジュースを片手に、キュウリとトマトにスパイスを散らしオリーブオイルをかけ、パンケーキにバターを塗り、目玉焼きには塩コショウを振り・・・!
つまり、サントリーニの朝食に匹敵する、素晴らしい朝食を、これでもかと堪能したのでした。

さかき(もう少し続きます~)

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