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※こちらのコラムは、雑誌やメルマガ寄稿文に加筆修正をしたものです。

ギリシア・ガストロノミー紀行2 

さて続編です、
何と自宅を出てから24時間弱かけて、やっと目的地・サントリーニ島へ着いた我々の、その後。

サントリーニ、と聞くと、皆さん、どういった光景を思い浮かべられるでしょうか?
あまりピンとこない方、それではスーパーやコンビニで「ギリシャヨーグルト」という商品をご覧になったことはありますか。
この「ギリシャヨーグルト」のパッケージに印刷されているのは、青い海と空を背景に建つ、白さ眩しい壁に、青いドーム型の屋根の建造物。
そうです、これ、サントリーニの一風景です。
白壁と青い丸屋根の建物は、多くのギリシア人が信仰している宗教、ギリシア正教の教会なのです。

サントリーニ島は不思議な形をしています、まるで歪な三日月のような形です。
これは何故かと言いますと、元々は大きな円形の島があったのが、あるとき、島の中央部の火山が噴火したからなのです。
よって島の大部分が陥没し、三日月の如き形状の土地だけが後に残りました。
いわゆる、カルデラ地形ですね。
大きな島だったものが今や5つの小島に分かれ、そのうち最も大きい島が、サントリーニ本島。
島を訪れる人は、まさに絶景たる夕日の落ちる様を目にすることとなります。

この島の有名なリゾート街は、イア・タウンとフィラ・タウンの二つです。
どちらも白壁続く街並みと、すぐ真下に見える青すぎる海、そして周囲に拡がる空の青さが眩しい、世界的にも有名な場所です。
比較するなら、イアの方が高級ホテルが多く、フィラの方が少々庶民的。
しかし、どちらにしろ洒落た美しい街並みを有するという点では変わらず、共に人気が高いのです。
両方の街を散策しましたが、アジア人と思しき観光客の姿が頻繁に見られました。

さてギリシア人青年Aさんの運転する車でフィラの街に向かい、ホテルにチェックインします。
今日の宿は島でも有数の老舗、ホテル・アトランティスです。
パキッと青い背景に、真っ白の重厚な壁が群を抜いて目立つ、フィラでも一等地に建つホテル。
すぐ隣には海を広く眺める広場があり、目の前にはギリシア正教の教会も建っています。
無事チェックインした私は、部屋へ向かう自分の足元に視線を落とし、少し驚きました。
何故なら、廊下も階段も、全てが大理石でできていたからなのです。
淡いクリーム色の大理石が、一面、ずっと。
日本だとなかなかお目に掛かれない光景です。

街を散策しがてら、Aさんに、おススメのレストランまで連れていってもらうことに。
とうとう、初めてのギリシア料理を口にすることになった私ですが、実のところ、あまり期待していませんでした(Aさん、全世界中のギリシア人の皆様、ごめんなさい)。
私はとかく海外に行くと「それなりに美味しいけど、まぁ日本食が最高だよねー」みたいな雰囲気に帰結しがち。
ところが島で口にしたギリシア料理は、このさかきをして、「マジでうんまい」とまで言わしめたのですから驚きです・・・!!!
事前に「さかきは野菜と魚が好き」と好みを伝えておいたものの、我々取材班一行はAさんに勧められるままにオーダーをしただけだったのですが、とにかく、出てくる料理出てくる料理、非常に口に合うのです。
輪切りのきゅうりと乱切りトマト、その上に薄くスライスしたオニオンとピーマンを散らし、オリーブの実とフェタ・チーズを添え、さらにスパイスをふりかけたギリシア・サラダ。
葡萄の葉っぱでライス等を包み、スープで煮たドルマ。
きゅうりとニンニクとヨーグルトを和えたディップ、ザジキ。
卓上には、パンやワインと共に、レモンの半分に切ったものが無造作に置かれています。
その鮮やかな黄色が他の料理の色彩と競いあい、視覚にも強く訴えかけてくる、ギリシア料理の食卓。
私は素直に感動してしまいました。

おなかも適度にくちくなった我々は、更に街の散策を重ねました。
この島の街は、非常に美しく、私は幾度となくその情景に見惚れました。
白壁に、窓枠やドアだけが水色に塗られていたりと、全体ではなく所どころ、白さの中の一部のみにカラフルな色彩が浮かび上がり、独特の存在感を放っています。
街路は狭い部分が多く、いかにもリゾートといった風情のワンピースや刺繍のブラウス、土産物のガラス細工、思わず立ち止まって見入ってしまう様々のデザインのサンダル、人々笑いさんざめくカフェのテーブルと椅子とが、ごく間近まで迫ってきます。
ふと空を見上げると、屋根と屋根の間に、濃いマゼンタ色のブーゲンビリアの花々が揺れている。
ほんとうに、美しい。

極東の桜舞い散る神々の島・日本と、この白く乾き、青すぎる空と海に囲まれた、やはり神々の島・ギリシアはサントリーニを舞台に繰り広げられる、人の心の機微、移ろい、苦しさの昇華の物語。
それが「希臘から来たソフィア」です。
心を呪縛から解き放ち、“ほんとうの自分”を取り戻す。
『“自身の成長”と共に、“他者の幸せ”までをも実現できたなら』
そういう願いを込めて書いた、「希臘から来たソフィア」、本日が発売日です。

さかき(ギリシア紀行は、さらに続々編に続きます)

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