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※こちらのコラムは、雑誌やメルマガ寄稿文に加筆修正をしたものです。

ギリシア・ガストロノミー紀行1(ソフィア取材記・ギリシア編) 

今日は何を書こうか小一時間以上、というか優に五時間以上、思い悩んだのですが、結局「ギリシア珍道中」を書くことに決めました。
今回のコラムのタイトル中の「ガストロノミー」、勿論これは「美食」といった意味で日本でも普通に通用する言葉ですが、元はギリシア語に端を発しています。
うーん、ギリシア、やはり侮りがたいですな。

えー、我々取材班一行(出版社の担当のEさん、Mさん、さかき)がギリシアに向かったのは、昨年の初秋のことでした。
羽田からアテネへ・・・と思いきや、そうは簡単にいかず、まずはどこか経由地の空港へ飛ばなければなりません。
何故かと言えば、日本からギリシアへの直行便が廃止されて久しいからです。
ギリシアが経済的にひっ迫し始めてから、日本からの旅行客が減ったのでしょうか?
その明確な理由は私には分からないのですが、とにかく、現代の日本人がギリシアを訪れようとすると、モスクワやパリ、フランクフルトなどで乗り換えて、あらためてアテネ空港に向かうことを余儀なくされるのです。

というワケで羽田に向かった我々は、一路、花の都パリはシャルル・ド・ゴール空港へ!
と、その前に、空港でお寿司を食べました!
何が起こるか分からん旅程、もしかしたら日本食を食べられるのもこれが最後の機会になるかもしれませんので。
皆さんご期待のとおり、このさかきのことですから、大好きな白身魚の握りに加え、「あおさ」の御味噌汁まできっちり頂きました♪
いやぁ、それにしても、あおさって最高に美味しいですね、これを最初に食べようと考えたひとって尊敬に値するよね!
またもしみじみと、日本ばんざーい♪ってなモンです。

さて今度こそ本当に羽田を発った我々は、一気に機上のひとへ。
しかし私は非常に血行が悪い体質の為、東京からパリへの間、まさに七転八倒の苦しみを味わいました。
って、ほんとに七転八倒できるんだったら血行が良くなるからイイんですけど、要は機内ってずっと同じ姿勢でいるから、私みたいなタイプは物凄く体調が悪くなっちゃうんですよね。

苦悶しながら空の旅を続けるさ中、ロシアあたりで窓外を眺めていたのですが、なんとも切ない光景でした。
深い夜の紺青の中に、微かに淡灰色の雲が浮かび上がり、ところどころに地上の灯りが垣間見え、灯りは何処かへか移動し続けています。
しかもここは異国の上空。
頭の中に、子供の頃に慣れ親しんでいた、古い地球儀の手触りが思い出されます。
今落ちたら、おいらどうなるんやろ、日本に帰れるんだろか、おかんごめんな、せめて畳の上で旅立ちたかった・・・とか考えたら、切なくて悲しくてなんだか涙が出そうになりました。
・・・寒いせいもあったんですけどね。
イヤ、これがね、あなた、ホントに寒いんですよ。
飛行機の中って大体が寒いもんですけど、ロシアの上空はほんとマジで寒かったよ・・・(って、気のせいだろうか・・・誰か教えてください)

そんなこんなで、「墜落の可能性」を異常に懸念しまくるさかきを乗せたまま、飛行機はスルッとパリに着きました。
何のことはありませんでしたよ・・・だって冷静に考えてみれば、飛行機事故の起こる確率ってあらゆる移動手段と較べても物凄く低いではないですか。
おーう、データで考えると、またひとつ問題が解決するね!
まさに杞憂♪
航空会社の皆様、今日も安全な空の旅をありがとう♪

さて喜び勇んでパリの空港に降り立った一行でしたが、その瞬間、私はマジで凍りつきました。
・・・寒い・・・!!!!!!!!!!!
シャレにならないレベルに寒い、何と、何と、気温がひとケタだったんですよ!
ちょ、まだ十月初頭なのに、なめてんの?!レベルです。
しかもここで待機時間、4時間以上。しかも時刻は明け方3時頃。
ホットのココアかコーヒーでも飲みたい気分なのですが、朝も早過ぎて、温かい飲み物が手に入らないという有様。
それでも喉の渇きは癒さねばならず、とりあえず我々が手に入れた飲み物は・・・冷えた「ファンタ・オレンジ的なもの」でした・・・!!!
どないしろっちゅうねん、マジで。
ファンタ・オレンジ的なものをすすりつつ、寒さに震えていた私でしたが、辺りにはさすがフランスらしく、何やらオサレなオブジェ的なものが並んでいます。
そこら中に赤や緑の派手なチューリップがイヤに目立つと思ったら、これ、照明なんですよ!
まったく、こんなオサレな空間でだったら、パリっ子が世界屈指の洒落モンに育つのも“さもありなん”ですよ・・・ウラヤマけしからん。

やっと搭乗時刻がやってくると、激しく歓喜しながら乗り込みました、今度はエール・フランス。
びっくりしたんですけど、機内食にもお国柄が出るんですね。
日本だときちっとパッキングされ尽くした機内食が出るのが普通ですが、この航空会社では、なんかその場で調理したような雰囲気の食事が出るんです。
実際は勿論違うのでしょうけど、見た目の手作り感には、かなり驚かされました。
パスタが紙のお皿に入っていて、トマトとズッキーニの炒めたものが添えてあって、ラップしてあったりとか。
もの凄く美味しいので即座に完食しましたが、まるで知り合いのおうちでご飯を食べているような感覚でした。

そしてとうとう、アテネ空港に到着!
やったーギリシアだー、というよりは、「やっと体が伸ばせる!」という喜びに満ち満ちていた私だったのですが、まだ苦悩は続いたのです・・・
つまり、最終目的地はギリシアの国土でもかなりの南方、ヨーロッパ屈指のリゾート地であるサントリーニ島だったからです。
またも国内線に乗り換え、と、ここでギリシア人の青年、Aさんと合流。
彼はアテネ大学を卒業後、日本に留学していた経験もあり、何と五か国語を操る秀才なのです。
その彼に案内されて国内線に乗り込んだ私は・・・

その飛行機の中で私は・・・泣いていました・・・ええ、今回はマジ泣きです。
ツラすぎて、泣きました。

何故なら、ギリシアはまるで夏、てゆーか気温が30度超えてます!
暑い!
それなのに私は、初秋であった日本から被ってきたニット帽のままです、何故ならそのニット帽で、短くカットし過ぎた髪を隠していたからなのです!
つらーい!!!
しかも荷物検査で、そのニット帽を脱ぐよう指示され、遥か異国の地で超短髪を晒す羽目に!
はっきり言って、拷問でした・・・もう、もう、泣くしかなかったんです~

しかしそうは言っても、島に降り立った私は、それでも少し、気分が上昇しかけてきました。
だって、サントリーニの海と空が、心に痛いほどに青く、眩しかったから。
初めて見る青さが、私の目の前に、大きく拡がっていました。

さかき(続編に続きます)

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