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余生をネモ船長のように 

今年一番の快挙として、私は船舶免許を取ったのです。
なぜいきなり、と思われた方もいらしたかも知れませんが、私の生い立ちからすればごく自然な成り行きでした。
とかく家族にアウトドアでの趣味を持つ者が多く、私も完全な野生児として育ったからです。
特に今回の船舶免許取得に関しては、思い立ってから実に二十年超えの悲願でしたため、感慨もひとしお。

さてジュール・ヴェルヌの『海底二万里』、お読みになったかたも多いと思います。
この作品の醍醐味とは、むろん冒険譚としての面白さや海の不思議と美の描写にあるとは思いますが、それにしてもノーチラス号トップであるネモ船長の魅力にまさるものでは無いでしょう。

本作品においてネモ船長の秘密が明かされることは結局ありませんでしたが、「船長の最後の言葉」と「最終頁でアロナクス教授により語られる、ネモ船長への祈りの言葉」でそれこそ『十分』でした。
しかし私見を言うならば、アロナクスの淡い期待に反し、ネモ船長が復讐の旅から救われる可能性は限りなくゼロに近いだろうと思います。
人ひとりの恨みとは、ときとして自然の驚異を遥かに超えるほど深くなるものですから。

しかしネモ船長は立派です。
自己に厳しく、虐げられた同朋に優しい。
損得勘定はむろん皆無で、あの厭らしい嫉妬心や功名心のかけらも無く、ときに激情に駆られることはあってもそれは義憤や悲哀によるものである。
ネモ船長に敬意を払い、いつか私も自分の船を持った日には『ノーチラス号』もしくは『ヴァンジュール号』と名付けましょうか。
復讐号を走らせ、遠い波間へひとり旅に出るのも良いものです。

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