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食べ物とは単に熱量でもあり、同時に「ハレ」の小道具でもあって 

五月の連休が終わりました。季節は夏に変わろうとしています。
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端午の節句は、新暦ではもう過ぎたことになりますが、旧暦で祝う地域も多いことと思います。
「ハッピー・マンデー制度」施行の頃より、幾つもの祝日の本来の意義が薄れてしまうのではないか、と懸念を抱いてきた私ではありますが。いずれにしても今も多くの方が、旗を揚げたり節句を祝ったりなど、「しきたり」や「まつり」を楽しまれていることが嬉しい限りです。
➤「祝日に国旗を揚げる」(コラム)

お寿司が大好きです。どなたかと会食する際(つまりはハレのとき)には「久兵衛」を利用することも多いです。しかし私は久兵衛のお寿司が大大大好きなため、つい食べ過ぎてしまい、帰り道に「苦しい」とお腹をかかえたことが幾度となくある・・・我ながら行儀が最悪です。
さてお寿司というものは、大前提として、お米と魚介類だけで客を楽しませなければなりません。文学の種類で言うなら「俳句」のようなものだと、個人的には思います。だからこそ、微少な技術の差によって、美味しいか美味しくないかの区別がはっきりしてしまう。
ときおり、寿司をメインとしない飲食店へ出かけても、「おそらく修行を積んでいないかたが作った寿司」に出会うことがあります。しかし本職のかたのような技術が足りないがために、残念な仕上がりになってしまっている。うう、勿体ない。
私は寿司ネタでは、白身魚とコハダが大好き。中でも特に、コハダの美味しいお寿司屋さんに出会えると、嬉しくてたまりません。聞くところによると、コハダというのは、捌いたり塩をしたり酢でしめたりなどの下ごしらえが、非常に重要なネタなのだそうです。というよりも、下ごしらえの無いことには美味しくは食べられない? つくづく、熟練の職人技に感謝するわけです。
➤久兵衛

先日、とある方のご厚意で、「菊乃井」の本店に伺ってまいりました。菊乃井とは言わずと知れた懐石の名店。本店は京都の東山にあります。
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会食の席で料理の写真を撮ることに抵抗があるのですが、この日は仲居さんから勧められたこともあり、一枚撮ってしまいました。あまりにもその造形と色彩が美しかったので。
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なんとも素晴らしい景色! 緑の若芽と共に白の山菜、銀の眩しい皿に青葉、金の縁取りのある赤い盆。さらには描かれた蕨(わらび)が顔を覗かせて。まさに“春”が、この一皿に萌え出でているようです。
➤菊乃井

また過日。とあるパーティで「美濃吉食品」の社長と同じテーブルとなり、大変に嬉しかった、ということがありました。
「美濃吉」とは京都に本店を構える料亭です。本店はやはり東山にあります。創業はなんと江戸時代、享保の頃。長い歴史を経て、現在では「美濃吉」様が料亭を、「美濃吉食品」様が物販を担当されているのだそうです。
➤美濃吉
➤美濃吉食品
実は私、美濃吉のお弁当が大好きなのです、もう優に十年以上。たとえば歌舞伎座へ行こうとお弁当を調達するならば、私の場合は銀座三越の美濃吉さんが良いのです。
ついでに書いておくと。駅の売店や電車の中などで、「幕の内弁当」というものを頻繁に見かけます。この由来について、観劇の際、客が「幕間(芝居の休憩時間)」に弁当を食べるから、との説もあります。旧い日本文化の影響が現代生活にも垣間見える、素敵な一例だと思います。

お正月にはおせちに雑煮、七草粥に小豆粥。雛祭りには白酒と菱餅。お彼岸には牡丹餅。端午の節句には、ちまき、柏餅! いやはや、挙げていけば、きりがありません。
料亭のものでも、市販品でも、あたたかい手製のものでも。いずれにしましても、ハレの日に美味しい食べ物をいただくのは、とても幸せなことです。
➤「ハレの日に、特別な、ひとしなを」(コラム)

日本は災害大国です。いま現在も、多くのかたが震災の被害に遭われ、苦しまれています。この状況下、同じ日本国民として自粛ムードとなりがちなのも当たり前のことでしょうが。しかし。あまりに自粛を続けては、国全体の経済が停滞へ向かう、その後押しともなってしまいます。
災害は必ず起き、それは避けられないことです。今日は傍観者である人が、明日は被災者になる、そういったことも当然の国に暮らしている私たち。であれば、被災地への支援をすることは勿論ながら、同時に、「被災者でないかたには是非いつも通りにお金を使って頂き、経済を潤していこう」とするのも、この国に生まれた我々に必要な知恵であると思います。
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